20秒でわかる顎関節症
セルフ診断

首こり

顎関節症と関係することが
ある首こりについて

顎関節症と関係することがある首こりについて
  • 首こりがずっと続いている
  • 肩こりだけでなく、首の付け根まで重い
  • 首がつらい日に、顎もだるい
  • マッサージをしてもすぐ戻る
  • 顎が鳴る、口が開けにくい、噛みにくい症状もある

このような首こりでお悩みの方は少なくありません。

首こりは非常に一般的な症状なので、姿勢や疲れ、デスクワークの影響として受け止められることが多いですが、その背景に顎関節症や筋肉の不調が関わっていることがあります。
顎関節症は、顎関節や筋肉の疼痛、顎関節雑音、開口障害ないし顎運動異常を主要症候とする包括的な診断名であり、頭頸部の不調を伴うことがあります。

まず大切なことをお伝えすると、首こりがあるからといって、必ず顎関節症とは限りません。

首こりの原因

首こりの原因には、筋疲労、姿勢の問題、頸椎由来の症状、神経学的な問題など、さまざまなものがあります。したがって、首こりを何でも顎の問題で説明するのは適切ではありません。

一方で、首こりに加えて、下記の症状が伴う場合には顎関節や筋肉との関連を考える必要があります。

  • 顎の痛み
  • 顎関節の音
  • 噛みにくさ
  • 口の開けにくさ
  • 朝の顎の重だるさ
  • 食いしばり

顎関節症と頸部痛が併存しやすいことは、近年の総説でも報告されています。

なぜ顎の不調で首こりが
起こるのか

なぜ顎の不調で首こりが起こるのか

顎と首は切り離して考えにくい

顎を動かすとき、私たちは咬筋、側頭筋、外側翼突筋などの筋肉だけを使っているわけではありません。

実際には、頭の位置、首の筋肉の緊張、肩まわりの状態、姿勢の影響を受けながら、顎は機能しています。
顎関節症と頸部痛の関連が注目されているのは、顎が単独で働いているわけではなく、頭頸部全体の機能の中で動いているからです。

たとえば、食いしばりや歯ぎしりがあると、筋肉は過緊張を起こしやすくなります。
その結果、顎まわりだけでなく、頭位や首の筋緊張にも影響しやすくなります。逆に、首や肩の強い緊張、長時間の前かがみ姿勢、頭位前方位のような姿勢の崩れが、顎の動きに影響することもあります。

つまり、首こりと顎関節症の関係は、どちらか一方だけが原因というより、相互に影響し合う関係として考えるのが自然です。

どんな首こりが顎関節症と関係しやすいのか

顎関節症と関係しやすい首こりには、次のような特徴があります。

  • 首こりと一緒に顎もだるい
  • こめかみや頬の張りを伴う
  • 噛むと首までつらい
  • 朝起きた時に首も顎も重い
  • 長時間のデスクワークで顎と首の両方がつらくなる
  • 顎が鳴る、開きにくい時期に首こりも強い
  • 咬み合わせの違和感と一緒に首こりがある
  • 食いしばる癖がある

このような場合は、首こりを単独でみるのではなく、顎関節・筋肉・咬み合わせ・下顎運動まで含めて評価したほうがよいことがあります。顎関節症の患者様で頸部症状が併存しやすいことは、学会の治療指針や関連文献とも整合します。

顎関節症の分類からみた
首こり

顎関節症の分類からみた首こり

顎関節症の分類

顎関節症は、次のように分類されます。

  • 筋肉痛障害
  • 顎関節痛障害
  • 顎関節円板障害
  • 変形性顎関節症

首こりとの関連を考えるうえで、特に重要なのは筋肉痛障害と顎関節痛障害です。

筋肉痛障害

咬筋や側頭筋などの筋肉に痛みや過緊張があるタイプです。
顎のだるさ、頬の張り、こめかみの重さに加えて、頭頸部全体の筋緊張が高まり、首こりとして感じることがあります。顎を支える筋肉の不調が、首の負担と切り離せないためです。

顎関節痛障害

顎関節そのものの痛みが主体のタイプです。
口を開ける、噛む、あくびをするなどの動作で顎関節部が痛むと、顎をかばうような動きになり、首まわりの筋緊張が高まりやすくなります。その結果、首こりを伴うことがあります。

顎関節円板障害・変形性顎
関節症

これらの病態では、開口障害、関節音、顎運動異常が前景に出やすいですが、症状が長引くと頭頸部全体の緊張を伴い、首のこりやだるさを訴える方もいます。

こんな場合は、顎との関連を考えやすくなります

首こりがあっても、次のような症状を伴う場合は、顎関節症との関連を考えやすくなります。

  • 顎が痛い
  • 顎が鳴る
  • 口が開きにくい
  • 硬いものを噛むと悪化する
  • 朝起きた時に顎が重だるい
  • 集中すると食いしばる
  • こめかみの張りや頭痛を伴う
  • 被せものや矯正治療後から不調が強くなった
  • 咬み合わせがしっくりこない

このような場合には、首こりだけでなく、顎関節・筋肉・咬み合わせ・下顎運動をまとめてみる必要があります。
首だけに注目していると、顎の問題を見落とすことがありますし、逆に顎だけ見ても首こりの全体像はつかめません。

こんな場合は、まず他の
病気の評価が必要です

一方で、首こりがあっても、次のような場合は顎関節症だけで説明しないことが大切です。

  • 手や腕のしびれを伴う
  • 首を動かすと強い放散痛が出る
  • 発熱を伴う
  • 外傷後から強くなった
  • めまい、ふらつきが強い
  • 頭痛が急に悪化した
  • 手足の力が入りにくい
  • 夜間痛が強い

こうした場合は、整形外科、神経内科、脳神経外科などを含めた評価が必要になることがあります。

顎関節症は鑑別診断が重要な分野であり、似た症状を示す他疾患を見逃さないことが大切です。

当院での考え方

当院での考え方

首こりでも、顎から丁寧に評価します

当院では、首こりを単なる疲労として片づけません。その一方で、すべてを顎関節症だけで説明することもしません。大切なのは、首こりが顎の症状とどのように関係していそうかを整理することです。診療では、次のような点を確認します。

  1. 顎関節部の圧痛
  2. 筋肉の圧痛や緊張
  3. 開口量
  4. 開口路の偏位・蛇行
  5. 関節音の有無
  6. 噛むと悪化するか
  7. 朝の顎の重だるさの有無
  8. 食いしばり、歯ぎしり、TCHの有無
  9. 首こりと顎症状の時間的な関係
  10. 咬み合わせの不安定さ
  11. 被せものや矯正治療との関連

必要に応じて、生活指導、セルフケア、運動療法、スプリント(マウスピース):スタビリゼーション口腔内装置などを含めた保存的な初期治療を検討します。
Mindsの診療ガイドラインでは、顎関節症の初期治療として、自己開口訓練とスタビリゼーション口腔内装置が扱われています。

首こりでお悩みの方へ

首こりでお悩みの方へ

首こりは非常に一般的な症状ですが、その背景に顎関節症や筋肉の不調が関与していることがあります。
特に、顎の痛み、関節音、口の開けにくさ、噛みにくさ、朝の顎の重だるさを伴う場合には、顎との関連を考える価値があります。

当院では、首こりを含めて、顎関節・関節円板・筋肉・咬み合わせ・下顎運動を総合的に評価しています。
首こりが続く、首だけ治療しても戻ってしまう、顎の症状もあるという方は、ご相談ください。