顎関節は耳のすぐ前にある関節です。
その周囲には、咬筋、側頭筋、外側翼突筋などの筋肉や、関節包、靭帯、関節円板があります。これらの組織に痛みや緊張、運動異常が起こると、患者様はそれを「耳の奥が痛い」「耳が詰まった感じがする」と感じることがあります。
これは耳そのものの病気というより、耳の周囲や深部で起きている不調が、耳の症状として感じられている可能性があります。顎関節症に耳症状を伴うことは、国内外で繰り返し報告されています。
このような耳の奥の痛みや耳閉感でお悩みの方は少なくありません。
耳の症状があると、多くの方はまず耳そのものの病気を心配されます。もちろん、それは自然で大切なことです。実際、中耳炎、外耳炎、耳管機能の異常、突発性難聴など、耳鼻科的な病気をまず除外することは非常に重要です。
一方で、耳に明らかな異常が見つからないにもかかわらず、耳の奥の痛みや耳が塞がったような感覚が続く場合、顎関節症や筋肉の不調が関係していることがあります。
まず大切なことをお伝えすると、耳の奥の痛みや耳閉感があるからといって、必ず顎関節症とは限りません。
耳の病気を除外せずに「顎の問題です」と決めつけるのは適切ではありません。
ただし、耳に異常が見つからない、あるいは耳の所見と症状が一致しない場合には、顎関節、関節円板、筋肉、咬み合わせ、下顎運動まで含めて考える必要があります。耳と顎関節は解剖学的にも近く、顎関節症に耳の症状を伴うことは広く知られています。
顎関節は耳のすぐ前にある関節です。
その周囲には、咬筋、側頭筋、外側翼突筋などの筋肉や、関節包、靭帯、関節円板があります。これらの組織に痛みや緊張、運動異常が起こると、患者様はそれを「耳の奥が痛い」「耳が詰まった感じがする」と感じることがあります。
これは耳そのものの病気というより、耳の周囲や深部で起きている不調が、耳の症状として感じられている可能性があります。顎関節症に耳症状を伴うことは、国内外で繰り返し報告されています。
特に、次のような背景があると、耳の違和感として現れやすくなります。
つまり、耳の不調が主訴であっても、背景に顎の問題があることがあります。
顎関節症や筋肉の不調と関連してみられることがある耳症状には、たとえば次のようなものがあります。
一方で、耳漏、強い難聴、発熱、回転性めまい、急激な聴力低下などがある場合は、まず耳鼻科的な病気を優先して考える必要があります。耳の症状があるときは、まず耳そのものの病気を見逃さないことが重要です。
耳鳴りもまた、耳の奥の痛みや耳閉感と同じように、顎関節や咀嚼筋の不調と関連してみられることがある症状のひとつです。顎周囲の筋肉の過緊張や顎関節部の負担が、耳鳴りとして感じられる場合があると報告されています。
ただし、耳鳴りは突発性難聴やメニエール病など、耳鼻科的な病気が背景にあることも少なくありません。特に、急に強くなった耳鳴り、難聴やめまいを伴う耳鳴りは、まず耳鼻咽喉科での評価を優先してください。
そのうえで、耳に明らかな異常がなく、顎の痛みや関節音、開口障害などを伴う場合には、顎由来の症状として一緒に評価していくことがあります。
顎関節症は、次のように分類されます。
耳の症状も、この分類で考えると整理しやすくなります。
咬筋や側頭筋などの筋肉に過緊張や圧痛があると、耳の周囲に関連した痛みとして感じることがあります。
「耳の奥が痛いと思ったら、こめかみや頬も張っている」という方では、この可能性があります。
耳のすぐ前にある顎関節そのものに痛みがあると、それを耳の奥の痛みとして感じることがあります。
口を開ける、噛む、あくびをするなどで耳の近くが痛む場合は、この病態が関わることがあります。
関節円板の位置異常や運動異常があると、顎の引っかかり感、クリック音、開口障害とともに耳症状を伴うことがあります。
耳閉感だけで円板障害と決めつけることはできませんが、顎の運動異常を伴う場合には関連を考えます。
関節の器質的変化があると、慢性的な違和感や痛み、クレピタスとともに、耳周囲の不快感を訴える方もいます。
この場合は、症状だけでなく、必要に応じて画像検査も含めて判断します。
耳の奥の痛み・耳閉感があっても、次のような場合はまず耳鼻咽喉科での評価を優先したほうがよいです。
顎関節症を疑うのは、耳の病気を除外したあと、あるいは耳の所見と症状が一致しないときです。
この順番はとても大切です。医療では、思い込みより除外診断が先になります。
逆に、次のような場合は、耳の症状が顎と関係している可能性を考えやすくなります。
このような場合には、耳だけでなく、顎関節・筋肉・咬み合わせ・下顎運動まで含めてみる必要があります。
当院では、耳の奥の痛みや耳閉感を訴える方に対して、耳の病気を軽視しません。
そのうえで、耳鼻科的に大きな異常がない、あるいは顎の症状を伴っている場合には、次のような点を丁寧に確認します。
必要に応じて、生活指導、セルフケア、運動療法、スプリント(マウスピース):スタビリゼーション口腔内装置などを含めた保存的な初期治療を検討します。
耳の症状だからといって耳だけで終わらせず、顎の症状だからといって顎だけで決めつけないことを大切にしています。
耳の奥の痛みや耳閉感は、まず耳の病気を除外することが大切です。
そのうえで、耳に明らかな異常がないのに症状が続く場合には、顎関節症や筋肉の不調が関与している可能性があります。特に、顎の痛み、関節音、開口障害、咬み合わせの違和感を伴う場合には、顎由来の症状として考える価値があります。
当院では、耳の症状を含めて、顎関節・関節円板・筋肉・咬み合わせ・下顎運動を総合的に評価しています。
耳の奥が痛い、耳が詰まった感じがする、耳鼻科では異常がないと言われたがつらい、顎の症状もあるという方は、どうぞご相談ください。